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~sweetest~ 27

-幕開け-


「鈴?起きれる?」


土曜日の朝、母の声で鈴は眼を覚ました。


「・・・大丈夫みたい。」


「おはよう。」


「おはようございます。」


「今日はお父さんもいらっしゃるし、誠也も来るみたいだから。」


「はい。」


「・・・この間、お祖母さまの着物がクリーニングから戻ってきていたから、あわせてみるといいわ。」


「はい。」


つい、と母の手が鈴のほほに触れる。


「・・・熱はさがったみたいね?でも、泣いたのね?・・・腫れてる。」


「母さん・・・。」


「・・・ごめんなさいね、つらい思いをさせて。」


首を横に振る鈴。


「あたしは大丈夫。ねぇ母さん、おなかすいちゃった。着物はご飯食べてからにするね。」


「そうね。」


娘の微笑が涙に満ちたものだと知っている母は、こちらもまた、哀しく微笑んだ。


「おかゆができてるわよ。」


「え~、おかゆ~?足りな~い。」


「まだだめよ。・・・調子がよければお昼にはなにかとりましょうか?」


「お寿司がいい!わさび抜きで!」


「はいはい。」


無邪気に明るくふるまう娘を、母は痛ましい思いで見つめていた。





そんなに哀しそうな顔をしないで


あたしはまだ、笑えるから


笑うことぐらいはできるから





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