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~sweetest~ 25

-鍵?-


「とにかく、礼を言います。・・・ありがとう。」


いきなり頭を下げる誠也。顔を見合わせる3人。


「あの子がいつも楽しそうに電話やメールで教えてくれたよ。=今日はどこへ行って、何を食べた=とか、=買い物に行って何を買った=とか。・・・あんなに、うれしそうに友達のことを話すのを、聞いたことがなかったからね。」


「・・・どうしてですか?」


誠也の話に、3人は違和感を覚えていた。かずほの口からつい質問が漏れる。


「鈴は、転校が多かったのは聞きましたけど、でも、あの子はそんなに一人ぼっちになるような子じゃないと思うんですけど。明るくて、懐っこくて。」


「そうだねぇ。」


ふと、天音は鈴の言葉の端々を思い出していた。


=外で食べるの初めて=


=観覧車、じかにみるのは初めて=


「・・・斉藤さん。」


「ん?」


「鈴は、実家に帰るって言いましたよね。」


「うん。」


「どこですか。」


「天?」


「そこ、どこなんですか。」


「う~~ん・・・。」


「答えろよ!」


音を立てて椅子が倒れた。天音が誠也の胸倉を掴んでいる。


「天!」


「どうしよっかなぁ~。」


そんな状況でも誠也は薄笑いを浮かべている。


「うかつに教えちゃうと、僕が鈴ちゃんに怒られちゃうからね~。絶交なんかされちゃったら、オジサン泣いちゃうよ~。」


「手前っ・・・!」


思わず振り下ろした拳が、簡単に止められた。力を入れている様子はないのだが、どうしても手が外せない。


「おう、ガキ。」


へらへらと笑っていたのが嘘のように、誠也の眼には鋭さが光っている。亮輔も身動きひとつできないでいる。


「人にはどうしても知られたくないことってのは、あるもんなんだよ。」


「それでも、どうしても知りてぇんだよ。」


「・・・好奇心か。」


「そんなんじゃねぇ!」


「じゃあ、何だ。」


「それは・・・。」


「・・・そのために何回もつらい思いして、傷ついて、傷ついて、傷ついて・・・もうそんな思いはさせたかねぇんだよ、みんな・・・。」


「・・・させねぇよ。」


「以前もそう言ったやつがいたよ。・・・・・・知ったら、即座にケツまくったけどな。」


「させねぇって言ってんだろ!」


「理由は。」


静かな問いかけに、かずほと亮輔は息をのんで天音を見た。


「・・・ここじゃ言わねぇ。」


「なんだと?」


「アンタに言う筋合いはねぇ。」


「・・・・・・いい度胸だな。」








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