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~sweetest~ 22

-転-


昼食時。いつものように屋上で弁当を広げている。


天音の分は鈴が、亮輔の分はかずほが作ってきている。


「・・・また、増えてるな。」


亮輔が天音にしか聞こえない声でささやいた。


見ると、数人の見慣れない男子生徒がパンや弁当を持ち寄ってきていた。ちらちらと視線を鈴のほうへ送っている。


「・・・ちっ。」


鈴はかずほや他の女子生徒と談笑しながら弁当を突付きあっている。


昼休みも半ばを過ぎたころ、


「・・・藤代さん、いる?」


1人の男子生徒が屋上に顔をだした。鈴たちと同じクラスの図書委員、滝口である。


「あ~、滝口くん!・・・もしかして、返ってきた?」


「ああ、これだろ?」


と、一冊の本を差し出した。


「きゃ~~~っ!!会いたかったよ、『幻獣図鑑』~~!」


満面の笑みを浮かべて“ぎゅうっ”と本を抱きしめている。


「ありがと!ありがと!ホントに見たかったんだ~。」


滝口の手を握って、ぶんぶんと振る鈴。天音の顔が一瞬強張る。


「待ってたって聞いたから、持って来ちゃったよ。手続きするだろ?」


「うん!ちょっと待ってて!」


ばたばたと片付けると、天音たちには一瞥もくれず、滝口のあとについて屋上を出ようとする。


「鈴?どこ行くの?」


「かずほ、ごめん!ちょっと図書室行くから~。」


「わかった~。じゃあ、先に教室帰ってるよ?」


「はーい!」






「天、眉間にしわが寄ってるぞ?」


「・・・うるせぇよ。」






その後、連れ立って笑いながら教室に戻ってきた滝口と鈴を見て、逆に天音は鞄を持って教室を出て行ってしまった。


「わかりやすくなったねぇ、天ちゃんは。・・・オレも行こ。」





なぁ、天。


認めろよ。


そのほうがずっと楽になるんだぜ?







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