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~sweetest~ AMANE

-焦り-


「あ~~、そりゃ、よくないねぇ。」


「やっぱりか?」


「そこで言葉切っちゃうのが駄目だろ。そのままサラッと言ってりゃ別に聞き流しただろうに。」


「・・・ちくしょう。」


あのあと、お互いに何も話すことなく、食事を済ませ、オレはいつもより早くアイツのうちを出ちまった。


亮輔もデートから帰っていたみたいで、久しぶりに亮輔の部屋に来ている。


別にきれいぶるつもりはないが、やっぱりあれは失言だったんだろう。


だからって、変に弁解するのもおかしいだろ?オレ達は“カレカノ”ってわけじゃない。


そう思いつつも、焦る。


あれから無言で考え込んでいたアイツ。・・・不思議な顔をしていたっけ。


あの表情は何だったんだろう?


女に嫉妬されるのはしょっちゅうだ。1度寝ると、彼女面するやつばっかりだったから。


オレの目の前で取っ組み合いする女も何人もいた。


“妬く”顔ってある程度わかるが、アイツの表情はそうじゃなかった。


何か、思いつめるような・・・。


「ま、明日はオレたちも一緒に行ってやるから、修復しろよ。」


「べつにかまわねぇけどよ・・・。」


そうオレが言うと、亮輔はため息をついて、首をふった。


「素直じゃないねぇ、相変わらず。・・・失くさなきゃわからないのか?」


失くす?何を?


「・・・木登り。」


「あぁ?」


「木登りってさ。」


コイツ一体何言い始める?


「高い木に登るだろ?で、降りるじゃん。一番落ちるのって、地面から1メーターほどの高さなんだってよ。」


「?」


「登るときはもちろん気をつける。高い位置から降りるときも気をつける。・・・もう少しって、安心するところが一番危ないんだってさ。」


「・・・・・・安心。」


「けっこう人気あるらしいよ?鈴ちゃん。女にも男にも。昼飯の時でわかるだろ?」


始めは屋上で昼食をとっているのは4人だけだったが、次第に1人増え、2人増え・・・今では10数人が車座になって食べている。


学年もクラスもバラバラの集団。


「ま、鈴ちゃんはまだ気づいてないみたいだけどね?ただ“友達”が増えるのが単純にうれしいみたいだから。」


知っていた。


女はともかく、男たちが鈴を見る目つき。


でも、大丈夫だと思っていた。


・・・根拠のない自信に気がついたとき、反転して不安が心を占め始める。






不安が現実味を帯び始めたのは、次の日からだった。

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