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~sweetest~ 13

-手-


入り口のゲートをくぐると、天音は肩にかけていたバッグをロッカーに預けた。


「ごめんね、重かった?」


「重くはないけど、かさばるからな。」


たずねる鈴に答える天音。その声はすでに不機嫌さが消えている。


「おーい、行くよー?」


かずほの肩を抱いた亮輔が2人を振り向いている。かずほの手は亮輔の腰に回っている。


「・・・なんか、アイツら、仲良くね?」


「・・・うん。」


少し長めの髪を1つに結んだ亮輔、ショートボブの髪を少し編みこんでいるかずほ。身長差もちょうどよく、傍目から見ても、似合いのカップルだ。


なんとなく近寄れない雰囲気に、少し後からついていく2人。


「!?」


鈴の肩に、天音の手が置かれる。しかし、すぐにそれは頭の上にと場所を変えた。


「やっぱ、こっちの方がちょうどいいんだよな。」


「・・・ふぇ?」


「肩だと、低すぎ。」


「・・・・・・悪かったわねぇ、ちっちゃくて!」


置かれた手を払い落とし、ずんずんと足を速めるが、コンパスの違いは悲しく、すぐに追いつかれる。


「いいじゃんか、ケチんなよ。」


「うるさい!」


からかうように鈴の頭に手を置こうとする天音。


必死でそれを払いながら、かずほと亮輔に向かって小走りになる。


(!・・・・・・イヤだ・・・・・・。)


かずほの腕にすがりついた。その勢いの強さに、驚く亮輔。


「どうしたの?」


「・・・なんでもない。・・・早坂が意地悪するから。」


「天はもともと意地悪だよ?」


「うん、知ってるけど。」


「なんだそれ。」


ゆっくりと追いつくと、しがみついている鈴の腕を、べりっと引き剥がした。


「ちょ・・・。」


「お前なー。」


静かに見下ろされているのがわかる。おずおずと顔をあげると、天音は口元を少し緩ませて


「邪魔してんじゃねぇよ。」


一言いうと、また頭に手を置いた。


「うん・・・。」


「・・・大丈夫?鈴。」


かすかにその肩が震えていることが気がかりだった。


うつむいて、口を閉ざす鈴。


顔にかかる髪が、表情を隠す。





























ペタしてね

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