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~sweetest~ 7

-部屋とコーヒーと-


雑貨屋から少し歩くと、鈴の住むマンションがあった。入り口はオートロック。有名警備会社のステッカーが貼り付けられている。


306号室。鍵をあけて入る鈴のあとに続く天音。


「テキトーに座ってよ。とりあえず、コーヒーでも淹れる。」


「ああ。」


何の気なしに部屋を見渡し・・・違和感に気づく天音。


「お前さ・・・」


2人分のカップとクッキーを持ってきた鈴。並べる手も止めずに答える。


「ん?」


「・・・1人なん?」


「やっぱ、わかる?」


「なんとなくな。」


「あ、でも、そんなにたいしたことじゃないんだよ。両親もちゃんと隣の県にいるしね。今のガッコに近いところを探したら、ここになったってだけで。」


「ふーん・・・さて、やるぞ。」


「何を?」


「勉強だろうが。・・・別なことでもシテ欲しいのか。」


「森村みたいなこと言うの、やめて。」


「さっさと教科書出せ。」


ばさばさと自分の鞄からそれらを取り出す。


「すいません、せめてコーヒー飲ませて下さい。クッキーも1枚くらいは食べたいです。」


軽く手を突き、頭を下げる。


「・・・コーヒーはいいけど、そこまでミルクと砂糖を入れることに、何のためらいもないのか、お前は。」


色と香りが変わるほどミルクと砂糖を入れる鈴。天音はというと、ブラックで飲んでいる。


「だって、そのままじゃ苦いもん。」


「・・・・・・お前なんか、コーヒー飲むな。」


「何でよっ。」


「コーヒーキャンディと水でも口に入れて頭振ってろ。」


「ムカつく~~。」


「豆を作ってる人たちに失礼だ。」


「・・・そっ、そこまで?」


「ブラジルの人たちに今すぐ謝れ。」


“ぷっ”と鈴が噴出すのと同時に、天音の表情も軟らかく和んだ。


「ブっ、ブラジルって、ブラジルって!」


どうやらツボに入ったみたいで、けらけらと笑い続ける鈴。


「いいから早く飲めよ!」





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