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~sweetest~ 41

-惨状-



その、廃墟になっているビルの地下室にようやくたどり着いた一同が見たものは・・・。



すでに男たちは逃げ去ったあとで、じっと床に横たわり、上を向いて動かない鈴の姿だった。



見開いた両目からはとめどなく涙が流れていた。



破られた服。傷だらけの手足。顔もあちこち腫れている。



あたりに、生臭い空気が漂っていた。



総一郎が鈴に近づく。足音に一瞬、身体がビクリ、と反応した。顔だけがゆっくりと向く。



「・・・・・・鈴。」



「・・・・・・父・・・さん・・・。」



ぼろぼろっ、と涙がこぼれる。起き上がろうとする娘を、父は強く抱え起こした。



「うっ・・・う~~~っ・・・。」



父親の胸にしがみつき、嗚咽をもらす鈴。総一郎はゆっくりと上着を鈴にかけ、その身体を抱き上げた。



「・・・行くぞ。」





「・・・・・・どう・・・して・・・・・・?」





「鈴?」



強張っていく娘の身体に、その視線をたどる。



「どうして、ここに、いるの・・・?」



「鈴。」



「どうして?いやぁ、どうして?」



がくがくと震える身体。視線の先には・・・天音がいた。



「鈴。」



「いや!」



「待ってくれ、鈴!オレは!」



「見ないでぇっ!!」



血を吐くような叫びだった。踏み出していた天音の足が止まる。



「お願い、見ないで!・・・見ないでぇっ!!」



泣き叫ぶ鈴を抱き上げたまま、総一郎は地下室の階段を上がっていった。



天音と亮輔は、身動き1つ出来ないまま、立ちすくんでいた。



急発進する車の音が、すべてを切り裂くように響いた。






「あ・・・・・・。」



「天。」



「うあぁぁぁぁっ!!」


・・・絶叫が響いた・・・




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