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~sweetest~ 42

-支える-



誠也は、総一郎の指示により、かずほを鈴のいる病院に連れてきた。



1人、何の情報ももたらされなかったかずほは、不安と罪悪感でいっぱいの心を抱えていた。



「・・・こちらです。」



個室のドアを開ける。ベッドの上でこちらを見て微笑む鈴に、かずほは息を飲んだ。涙が溢れ出す。



左腕はギプスで固められている。顔にはたくさんのあざが浮かんでいた。白い包帯が肌を埋め尽くしている。たくさんの機材や点滴の管がつながっている。



「・・・鈴。」



「・・・かずほ。」



思わず駆け寄って・・・抱きしめようとしたが、その痛々しさに手が止まる。



「ごめんね・・・。」



「どうして泣くの・・・?」



膝をつき、嗚咽をこらえるかずほ。その頭に、ゆっくりと手を伸ばす鈴。



「かずほは、大丈夫だったんだよね?」



「ごめん・・・。」



「よかった・・・。無事でよかった。」



「鈴。」



「かずほじゃなくて、よかった。」



「なんでそんなこと、言うのよ。」



「だって、かずほがつらい目にあうの、いやだもん。ホントだよ?」



「鈴。」



「これからしばらくは、うちの人たちがかずほを守るから。・・・ちょっと怖い顔の人たちが多いけど、必ず守るから。だから、安心していいからね。」



「・・・え?」



「父さん、かずほを送ってあげて?きっとおうちで心配してる。」



「わかった。ゆっくり休みなさい。」



「・・・はい。」






「かずほちゃん。」



「はい・・・。」



車の中、運転は護衛役の構成員。後部座席に座る総一郎とかずほ。



「しばらく窮屈な思いをさせるだろうけど、辛抱してくれな。」



「はい・・・。」



「ずっと言ってたんだ、『かずほは大丈夫か』 『本当に無事なのか』ってね・・・。」



「・・・・・・はい。」



「君の顔を見るまで、ひどく取り乱していてね・・・。まぁ、あんなことがあったから、当たり前なんだが。」



「おじさん・・・。」



「アイツが初めて、『組長』の俺に頼みごとをした・・・だから、どうしても聞いてやりたい。」



「はい。」



「できるだけ、イケメンをそろえてあげるからね。」



総一郎の冗談に、新たに涙があふれてきた。



ゆっくりとかずほの頭を自分の胸に押し当てて、総一郎はそのまま静かにかずほの涙を受け止めていた。



「ごめんなさい、ごめんなさい・・・。」



くりかえしつぶやくかずほの頭を、総一郎は、やさしくなで続けていた。






あたしを責めて欲しかった



あたしをうらんで欲しかった



どうして優しくするの?



泣く資格もないのに



涙があふれてくる




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