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~sweetest~ 53

-心-



「そろそろ、病室に戻ったほうがいい。」



「うん・・・。」



天音は鈴の身体を抱き上げると、入り口に向かって歩き出す。



(軽くなりやがって・・・・・・)



病室にもどると、連絡を受けて駆けつけた総一郎が、苦虫を噛み潰したような顔で座っていた。



さすがに迫力に押される。



汚れを落とし、身支度を整えた鈴が戻ると、総一郎はジロリと4人を見渡す。



「この騒ぎはなんだ。」



「父さん、あのね、」



「いいんだ、オレが言うから。」



「いや、考えたのは、オレなんだし。」



「あたしだって、」



「だって、もとはと言えば、あたしの、」






「・・・うるせぇ!!」










一喝に静まり返る室内。



総一郎が、天音と亮輔とかずほに、深々と頭を下げた。



「・・・親にも出来なかったことを、よくやってくれた・・・。ありがとう・・・。」



「父さん・・・。」



「ちゃんと俺が見えてるか?鈴。母さんが見えてるか?」



うつろな眼をして、幽鬼のようにすごしていた娘を間近で見ていた父親には、久々の娘の笑顔がたまらなく嬉しいのだ。



「はい。」



「よかったなぁ、いい友達に会えたなぁ。」



「はい。」



「大事にするんだぞ。」



「・・・はい。」



しばらく総一郎は、黙って鈴の頬をなでていた。








病院の外の喫煙所。天音がいるところに、総一郎がやってくる。他に人はおらず、2人きりだ。



「おい、くそガキ。」



「・・・オレですか。」



「手前以外に誰がいる。」



「・・・ま、いいですけど。」



「・・・・・・2度は、ねぇぞ。」



低い声に、ゴクリ、と天音ののどが鳴る。



「・・・わかってます。」



「・・・火、貸せ。」



ライターを渡す。



「・・・・・・そういや、手前、未成年だろうが。」



「そうでしたっけ。」



「食えねぇヤツだ。」



「親父さん。」



「うん?」



「鈴、オレに下さいね。」



「簡単にはやれねぇな。」






「・・・ライター、返してくださいよ。・・・“大事なカノジョ”からの貰いモンなんで。」



「・・・けっ。」






気ぃ抜いてんなよ、くそガキ



俺らはそう甘かねぇぞ



とりあえず、今日だけは黙っといてやるけどよ



・・・お前じゃなくても、俺らは一向にかまわねぇんだぞ。

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